享年84歳

天候雨 体重変化なし

悪の天才タレイラン

悪の天才タレイラン

 やっと読み終えた。なんだかんだで死んだ歳が84歳、当時の歴史を考えるとかなりの長命なような気がする。しかしまあころころと変わるとは思っていたが、数世紀経っても議論される人物になるだろうさ と本人が言っているのは感心してしまった。死ぬまでほとんどボケずにいて、歳を食っても若い子と関係を持ったり、自分好み育てあげたり・・・ある意味光源氏を実現しているし(しかも光源氏と違い娘からも愛されているし)。
 なにはともあれ金と女に苦労はしないが、常に権謀術策と陰謀には縁があったらしく、なんというか晩年になるにつれ少し読んでいてダレてくる。なんだかんだではっきりした好敵手や金があまり深く絡まなくなってからが次第に寂しいというか、老いの悲しさというか頑固というか意地が出るようになったり、調子に乗ったりするあたりから次第に寂しいおっさんに見えてきて仕方がなかった。それでもウィーン会議の主導権を握るテクニックや外交の考え方は勉強になった。少なくともこの本を読む限りは「俺は(自分の利益のために)フランスの味方だよ フランスを亡命するときは身の危険を国が守らなくなった時さ」とか平然と腹の中で思っているような人物であったようだ。
 なんだか書いていて荒野に獣慟哭すのコミック版の薬師丸 法山 を思い出した。あのおっさんは誰がなんと言おうが最高である。
 少し話はそれるが作中に出るスタール夫人(ナポレオン獅子の時代だともの凄く酷い顔になっているんだが)、wikiにもあるような肖像画を見ていると顔立ちが親戚にそっくりである。正直言ってびっくりした。

今日はこの辺で