猫と戯れる

 最近近所の猫と家の前でよく会う。今日も友人連中が帰った後、家の鍵を閉めて散歩に出かけ、戻ってきたら「にゃぁ」という声と共に走って表れた。 会ったと同時に足元にすりより、ぐるぐるとくっつくので、いつものようにしゃがんでいると腕をなめたり背中の方に寄り添ったりする。 
 この猫とは随分長い付き合いになるのだが、相当懐いているらしく、何日か前に書いた血まみれの内臓をプレゼントされるほどである。 なので腹を見せたりするのをなんとなく触らせてもらっているのだが、中々柔らかくて気持ち良い。 
 といつものように接しているうちに母が帰って来たのだが、その瞬間「にゃぁ」と警戒心を含めた泣き声を母に向けていうので、猫アレルギーの母は「たく、あんた猫なのになんちゅう態度してるんじゃい、そんなにあたしゃ邪魔か」と愚痴っていると[ああ、邪魔だとも]みたいに「にゃあ」と返事するように鳴くのに、「きいい!」とかあまり本気ではないとはいえ怒る母を見て苦笑するのであった。 その後猫とも別れたのだが、何度もこちらを見てくるのには参る、なんというか愛嬌のある仕草なので、なんだか申し訳なくなってしまう。 
 それにしても、ここまで懐かれるのも不思議なのだが、父が言うには「祖母からの遺伝だろうな」と言われるのであった。祖母は確かに動物に好かれているが、一体どうなのやら。
 今日はこの辺で