ベタな展開

 今日になってやっと時差ぼけが治り、ある程度落ち着いてきた。
 今回の海外派遣で大きな転機を受けたのは恐らく同学年のドーベルマンさんであろう。 7日程度のホームステイで彼女を作り、最後の分かれのときには彼女と共に号泣しながら抱き合い、お姫様抱っこをして別れを悲しむというベタなことを堂々とやりきった。 
 その後ホテルに滞在中様々な経緯を聞きつつ、要約すると彼女の方から熱烈なアプローチをされていった結果、そういう風になったようだ。 ちなみに彼女さんとやらは金髪のストレートで碧眼、小柄でスレンダーという容姿であり、顔にかんしては良い方なんじゃなかろうか。
 それにしても・・・お姫様抱っこである。 世間一般でまず見る事のないものをおがまさせて頂き、心から「こいつおもしれえ」と思うのだった。 さすがに『駅で白のタキシードを着て、薔薇の花束持って待つ』というしょうもない逸話を持つ男、胡散臭いと思っていたが、こいつならやりかねないな・・。
 そういえばもう一人海外派遣生のスピッツ少年がいるんだが・・・彼は随分と若いな〜と感心した。 いやはや、ホテルで同じ派遣生の女子の部屋にオールナイトで・・とか、夜の9時半から抜け出して2時半まで・・とか。 いやはや、流石に2時半に俺が起きていたのにはビクっと驚いていたようである。 ちなみにスピッツから見て俺は『He is crazy boy』だそうだ。 きちがいととるかばかげたととるか・・どちらにしても面白い見方である。
 2時半まで起きていたのは部屋が寒いので、暇つぶしに派遣生の性格とか行動を俺の主観から「こいつは犬種でいえばこれだな・・」と考えていたんだよな。Tをドーベルマンと思ったのは、大胆ではあるが、大抵冷静に判断でき、且つ彼の進路が「自衛隊」ということからだ。 ただリーダーとしてはいまいちだな、Oのようなカリスマというか魅力がない。ただこういうことをしでかすので中々にくめない人物のようだ。 
 スピッツ君は恐らく弱い部分を見せたら最後「おれはこいつより上だ」と思いこみやすいタイプだな。 ついでに話している際、顔の不必要な頷きなどは聞いているふりをしている証拠、腰が軽いというんだろうか・・あまり仕事を頼みたくないタイプだな。 反面行動力とユーモアに関しては長けているが、いかんせん危機感を感じないのは温室育ちといったところだろうか・・・。 
 今日はこの辺で